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Cats, Cats, Cats
2001年 初版発行
文:Leslea Newman 絵:Erika Oller 発行所:Simon & Schuster ISBN0-689-83077-7 |
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イラストレーター、Erika Oller の描く、猫と婦人をモチーフにした作品が好きで、本を探した。そして出会ったのがこの一冊だ。 60匹の猫と暮らす老婦人、ミセス・ブラウンの一日が、Leslea Newman の詩と、Erika Oller のイラストによって描き出される。 猫2匹と暮らす Leslea Newman の詩は、やさしく、あたたかく、楽しく、しかも、60匹の猫たちの日中の寝息や、ミセス・ブラウンが寝静まってからの大暴れの大喧噪がそのまま聞こえてくる。そして、そんなやんちゃな60匹をこよなく愛するミセス・ブラウンのハートの温もりも、肌で感じることができる。 Erila Oller のイラストは期待をはるかに超える素晴らしさだ。淡い水彩のイラストは、大人のテイストだが、一筆一筆がシンプルな詩に厚みと味わいを加えている。 Erika Oller は、一度も猫と暮らしたことがないばかりか、猫アレルギーだという。これまで、猫のアートは、作家と猫の向き合い方が作品に昇華したもの、と思っていた。確かに、作品を見ると、その作家にとっての猫のありようが、かなりの精度で見えて来る。だが、猫アレルギーのErika Oller の作品を、どう説明したらいいいのだろう。おそらく、Oller は命あるものに深い愛情を持っているのだろう。たとえアレルギーでも、猫を見る目は、きっと穏やかに違いない。それにしても猫たちの動きを描くときのヒントは、どこから来るのだろうか?卓越した観察眼なのか、それとも豊かな想像力なのか。 文句なしの五つ星の一冊だ。 |