★★★★ |
1995年 初版発行 |
愛猫家が生涯、宝にするだろう美しいクリスマス絵本。左ページにクリスマス・キャロルが、右ページにその歌詞の情景が描かれている。登場人物が猫に置き換えられているのは、言うまでもない。いずれも、作者、アイボリーが愛情を注いだ猫たちだ。 収められてる15のクリスマス・キャロルのうち、知っているものは、二つ、三つしかなく、クリスマスを本来の意味から遠く離れたイベントとして過ごしているにすぎない私も、それぞれのページが醸し出す静謐さに、思わず背筋が伸びる。 アイボリーの描く猫は、まるで写真のように細密だが、時も空間も越えた背景を与え、猫の表情に自らの思いを映すことができるのは、やはり『絵』ならでは。 独り静かに、この絵本のページをゆっくり繰る……そんなクリスマス・イブを過ごしてみたいと思う。 |