本書は「猫の本」の本だ。
古今東西、98名の作家による、猫が登場する文学を丁寧に紹介している。ストーリー紹介も、興味を喚起する絶妙なポイントで止められており、結末を明かすようなヤボなことはない。これは、やさしそうで、案外難しい。
猫が主役の文学、名脇役の文学、童話もあればミステリーあり。
猫を愛する作家は多いだけに、猫が描かれた作品も山ほどある。
そのどれを選ぶか、どの順番で読むか……愛猫家にとって、あれこれ考えるのは楽しいことだが、本書は、その良き水先案内人となってくれることだろう。
何にも増して嬉しいのは、別タイトルの本や全集に収録されている作品を知ることができることだ。
あれも読みたい、これも読みたい……本書のページをめくりながら、存分にワクワクされたし!
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