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びりっかすの子ねこ

1966年11月 初版1刷
2002年12月 2訂第15刷
作者:マインダート=ディヤング
画家:ジム=マクマラン
訳者:中村妙子
発行所:株式会社偕成社
ISBN4-03-532050-1 C8397

犬の檻がたくさん並ぶ犬屋さんの納屋で、7匹の子猫が生まれました。末っ子の子猫は、体も小さく、なかなかお母さんのおっぱいにありつくこともできません。そのびりっかすの子ねこは、ある日、納屋の一番上にある巣箱から落ちてしまいます。落ちた先は、目の見えない年寄りの犬の檻の中でした。びりっかすの子ねこは、だれにも気付かれずに、年寄り犬のあごの下で暮らし始めます。お天気の良い日のこと、犬屋さんは、年寄り犬に日光浴をさせようと、檻を外に出します。温かい春の日を浴びて、子ねこは、檻から抜け出し、時の経つのも忘れて草むらを飛び跳ねます。やがて日が沈み、犬屋さんは年寄り犬の檻を納屋にもどしてしまいます。びりっかすの子ねこは取り残されてしまいました。さあ、どうなることやら…

外に取り残されてしまったびりっかすの子ねこの一晩の冒険。子ねこの目を通して、さまざまな人間模様が描き出される。そして、幼い子ねこと年老いた犬との深い友情が、物語全体を温かく包みこむ。初版、改訂版、2訂版と合わせて70刷を数えるロングセラーの実力を感じさせる作品だ。

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