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あしたのねこ 2006年6月 初版発行 |
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あたたかい家で生まれた5匹の子猫。しあわせ一杯だった子猫たちは、ある日、ダンボールに入れて捨てられてしまいます。愛らしい子猫たちは、一匹一匹と拾われていき、たった一匹残されたのは、やせっぽで、しっぽが曲がっていて、ガマガエルのような声でなく子猫。やせっぽ子猫は、待ち受ける災難の中にも、何か一つ『いいところ』を見つけて、明日に向って歩いていくのですが…… 結末は、優しい人に巡り会い……と想像しがちだが、そうはならないところにこの絵本の真髄があるように思う。 失うことを恐れるよりも、与えていれば、なあんにも失わない。毎分毎秒感謝してれば、いつも幸せ間違いなし。そんな風に生きていければ、どんなにいいだろ。 まさに『あしたのねこ』の生きざまそのものなのだ。きむらゆういち氏は、このテキストをエム ナマエ氏にプレゼンとしたのだろうか。あるいは、きむら氏の生き方も『あしたのねこ』なのだろうか。きむら氏のHP(http://www1.odn.ne.jp/kimura-yuuichi/index.html)からは、この疑問を解く鍵は見つからない。一度、氏の作品をじっくり読んでみたいと思う。 |