何がきっかけだったか、思い出せないのだが、最近の私の関心の中心が『黒猫』だ。黒猫を不吉の予兆とする諺や迷信が数多くある一方で、黒猫はラッキー・キャットとして珍重される。日本でも、商家では商売繁盛を願って黒猫を飼うという。
猫はアーティストの格好のテーマだが、思わず唸るような黒猫にはなかなかお目にかかれない。そんな中、漸く出逢ったのが、このヴィンテージ物のウェッジウッドだ。1920年に作られたバサルト・シリーズの一つで、高さ12cmと小振りながら、堂々の存在感を放っている。表面は、セミ・マットに仕上げられており、反射が和らげられ、柔らかな皮毛の下に隠された強靭な筋肉が見て取れる。顔の表情もなかなか愛嬌がある。
暫くは、黒猫探しが続きそうだ。