岡馬 勲氏作 招き猫(洋猫)
この『猫芸術』のコーナーの筆頭を飾ったのが岡馬氏の招き猫(和猫)だった。
先般、氏のアトリエをお訪ねする機会を得、右手上げの和猫と対になる左手上げの洋猫招きも作っておられることを知った。磨いては焼き、焼いては磨き、大変な技術と労力、時間を注ぎ込んで、ようやく完成する氏の作品の完成度の高さを思い、迷わず、洋猫招きの制作をお願いした。今回は、前回紹介した作品より一回り上の大きさでお願いしたため、お対の和猫招きも一緒に作っていただくことにした。
岡馬氏とお話させていただき、一つ一つの作品に寄せる思いの強さ、緻密で妥協を許さないお人柄に、この作家にして、この作品あり、と感嘆するばかりだった。
和猫と洋猫、耳の向きや目の描き方が異なるばかりではない。
顔の輪郭、鼻の位置、上げた手の角度、腰のあたりの膨らみ、いずれもが微妙に異なり、一体一体が、完璧なフォルムを作り上げ、しかもペアとして絶妙な調和を見せる。サイン一つにも細心の心配りが表れている。
若手ビスクドール作家として注目を集める岡馬氏の招き猫…その、やわらかく透き通るような肌合いは、ビクスならではの魅力だ。
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