マイセンの 猫

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ヨーロッパを代表する名窯、マイセン……是非とも一点欲しいとは思っていても、高嶺の花。
ところが、ついに私の元に一匹やって来たのです!!
マイセンの置き物の豪華絢爛さからは想像できないほどシンプルな白一色の猫さんです。
1903年、Otto Jarl によってモデリングされたもの。
この一点は1910年前後の制作と思われます。
表情にはあどけなさが残るものの、その体は、柔らかい被毛の下の引き締まった筋肉まで写実的に作り込まれています。
薄いブルーのリボンをはじめ、耳の内側や目、鼻の頭の淡い彩色が、気品を醸し出しています。

マイセンは、今や憧れのブランドですが、17世紀のヨーロッパでは、中国磁器や日本の伊万里などの抜けるように白い肌を持つ硬質な磁器こそ、憧れだったのです。中国はその製法を流出させなかったので、ロシアを含めヨーロッパ各地で、競うように白い磁器の製法の研究が続けられました。
1709年、ザクセンの国王アウグスト2世の命によって長い間研究を続けてきた、ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーが、ついに白磁の制作に成功。翌年、その製法の機密を保持するために、工房はマイセン地方のアルブレヒト城に移されました。以来、シノワズリやジャポニズムの影響を受けた東洋的な作品や、バロック調、ロココ調のヨーロッパ的なもの、そして現代的なデザインと、それぞれの名工によって、優れた作品が作り継がれています。

マイセンの猫を探してみましたので、お楽しみください。



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