2011年、リヤドロ『名作童話コレクション』の第7作として、『長靴をはいた猫』が発売されました。『長靴をはいた猫』コレクターの私としては、見過ごすわけにはいかず、さっそく購入。つい先日、無事に到着しました。
オリジナルの彫刻は Francisco Polope によるもの。Polope はスペインのバレンシア出身の彫刻家で、14歳の時からリヤドロで働いています。リヤドロの作品制作の全ての工程に精通した Polope は、同社の最も手の込んだ作品を手掛けています。この『長靴をはいた猫』もその一つで、リヤドロ特有の流れるような曲線のラインはそのままに、帽子の羽飾り、衣装の刺繍を施した縁取りや袖の地紋など、細やかに作り込まれています。触れるのも怖いほど細くすっと伸びた剣、長い尻尾は、作品の繊細さを一際印象づけます。色彩も赤と青を基調に、しっとりと落ち着きのある色調にまとめられ、気品を感じさせます。顔は何となくイメージしている『長靴をはいた猫』よりふっくらとしていますが、全体のバランスを考えると、これしかない、という輪郭のように思えてきます。特に、思慮深そうな目が印象的で、作品全体を引き締め、アート作品として見事な調和を生み出しています。
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