ケンジントン時代のウィンスタンレイ・キャット

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猫の陶芸家、ジェニー・ウィンスタンレイの作品は、ウィンスタンレイ・キャットの総称で世界的に知られている。その特徴は、猫の自然な動きの一コマを再現したフォルムと、どの位置に立って見ても猫の瞳が追いかけてくるガラスの目、キャセドラル・アイだ。
日本ではウィンスタンレイ・キャットをケンジントン・キャットと呼ぶようだが、ウィンスタンレイがケンジントンにアトリエを構えていたのは、ごく短期間だ。
ウィンスタンレイは40年以上の長きに亘って猫の作陶を続けているが、そのごく初期、セネシャル・スタジオからロンドンのケンジントンにアトリエを移した。その後、ノーフォークに移り、現在に至っている。

今回ご紹介するのは、わずか数年のケンジントン時代に作られた作品2点。
一目で、その特徴にお気づきになったことだろう。
目がキャセドラル・アイではなく、描き目なのだ。
彼らの息づかいと声が聞こえてきそうな造形の素晴らしさ、毛の肌触りや、体のぬくもりが伝わってくるような彩色の妙は、すでにこの時代から見られる。
筆で描かれた目は、その視線の先を思わず想像し、好奇心ではち切れそうな胸の内がダイレクトに感じられるほど、雄弁だ。
キャセドラル・アイ以上に「ものを言う」目のような気がする。

ケンジントン時代のウィンスタンレイ・キャットは、海外ではケンジントン・キャットとして区別され、キャセドラル・アイを持つその後の作品より高値で取引されている。




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