Clair de Lune
Harmony Kindgom社のコレクションの一つ、Clair de Lune。3600のリミテッド・エディションのシリーズで、Julie
Barucha によるオリジナルの彫刻を、大理石粉のコールド・キャストで再現し手彩色したもの。モチーフは1920年代のパリ。第一次世界大戦が終結し、この町にはアーネスト・ヘミングウェイ、スコット・フィッツジェラルド、ガートルード・スタイン、ジェイムズ・ジョイス、イサドラ・ダンカン、ジャン・コクトー、マン・レイ、パブロ・ピカソ、ジョージ・ガーシュウィン、コール・ポーターなどの、小説家、画家、ジャズ・ミュージシャンらが集まっていた。
Clair de Lune に取り上げられた Kiki、Justine、Josephine、Coletteは、この時代の申し子であり、モンパルナスのスターだった。彼女たちは愛猫と共にLatin
Quarter の端にある狭いJacob通りの20番地に暮らしていた。美しい鉄柵のバルコニーをもつそのエレガントな家は、ルイ14世の未亡人の家だったと言われている。タペストリー、ベルベット張りのラブシート、ゴールドに縁取られた鏡、グランドピアノ…美しいものに飾られた部屋には、連日連夜、アーティストやアート・コレクター、ジャーナリスト、ディーラーといった訪問客が絶えず、パーティ三昧の日々が続いた。Kiki、Josephine、Justine、Colette
は、人生に与えられた以上のものを引き出したと評されている。
このシリーズは、そんな当時の香りと光りと喧噪を見事に伝えてくれる。
いずれも小さなコンパートメントが隠されており、こっそり覗き込む秘密めいた楽しみも味わえる。
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